妊娠中は赤ちゃんの成長のために正しい食事の知識が欠かせません。しかし、ネット上には多くの情報があり「本当に避けるべき食べ物は何?」と迷う方も多いでしょう。
本記事では、妊娠初期に食べてはいけないものとその理由を分かりやすく解説します。さらに、赤ちゃんに必要な栄養素や積極的に摂りたい食材も紹介します。
正しい知識を身につけることで、心穏やかなマタニティライフを送れるでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。
妊娠初期に食べてはいけないものとは?

ここでは、妊娠中の食事に関する疑問を解消するための、特に注意したい食べ物や飲み物を解説します。基本ルールや厚生労働省が注意喚起するリスクも見ておきましょう。
特に注意したい食べ物・飲み物一覧
妊娠初期に特に注意が必要な食べ物や飲み物は、主に5つのカテゴリに分けられます。
- 生もの・加熱不十分な食品
食中毒のリスク - 一部の魚介類
魚に含まれる水銀の量に注意が必要 - ビタミンAを多く含む食品
過剰摂取は赤ちゃんに影響する可能性あり - アルコール飲料
胎児の発育に深刻な影響をおよぼす危険性あり - カフェインを多く含む飲み物
摂取量によっては、赤ちゃんの発育に影響する可能性あり
これらは、赤ちゃんへのリスクを避けるために大切な知識となるため、よくチェックしておきましょう。
妊娠中の食事で最も大切な基本ルール
妊娠中の食事で大切なのは、特定の食品を極端に避けたり摂りすぎたりせず、栄養バランスを意識することです。食べてはいけないものを把握するのは重要ですが、神経質になりすぎる必要はありません。
多くの食品は適切な調理や量を守れば安心して食べられます。無理なく続けられる範囲で食事に向き合い、ストレスをためないことが、赤ちゃんにも良い影響をもたらします。
厚生労働省が注意喚起する主なリスク
厚生労働省では、妊婦が注意すべき食事のリスクとして主に3つの点を挙げています。
- 食中毒
リステリア菌やトキソプラズマなど、普段は問題になりにくい細菌や寄生虫は
妊娠中の赤ちゃんに影響する可能性がある - 食物に含まれる水銀
一部の大型の魚に多く含まれるメチル水銀は
赤ちゃんの神経系の発達に影響を与えるおそれがある - ビタミンAの過剰摂取
妊娠初期に動物性ビタミンAを摂りすぎると、
赤ちゃんの体に奇形が起こる可能性が指摘されている
これらのリスクを正しく理解し、食事を選ぶことが大切です。
【理由別】妊娠初期に避けるべき食べ物と飲み物

妊娠初期に避けるべき食べ物と飲み物を理解することは、非常に重要です。この見出しでは、主に5つの分類に分けて詳しく解説します。
生もの・加熱不十分な食品
妊娠中は免疫力が低下しやすく、通常よりも食中毒のリスクが高まります。とくに次の食品については、中心部まで十分に加熱してから食べることが大切です。
- ナチュラルチーズ・生ハム・肉や魚のパテ
リステリア菌のリスク
加熱殺菌されていないものは避けたほうが良い - 加熱不十分な肉(特に豚肉や鶏肉)
トキソプラズマのリスク
お肉は中までしっかり火を通すことが大切 - 生卵
サルモネラ菌のリスク
卵かけご飯や半熟卵は避け、加熱した卵料理を食べるようにする - お刺身・生牡蠣などの魚介類
腸炎ビブリオやノロウイルスなどのリスク
魚介類も加熱して食べるのがおすすめ
水銀を多く含む大型の魚
魚はたんぱく質やDHAなど良質な栄養を含みますが、一部の大型魚は食物連鎖の影響で自然界のメチル水銀を体内に蓄積しやすい特徴があります。
- 摂取量に注意が必要な魚の例
- キンメダイ
- メカジキ
- クロマグロ(本マグロ)
- メバチマグロ
- 比較的食べやすい魚の例
- サケ
- アジ
- イワシ
- サバ
- ツナ缶(キハダマグロ、ビンナガマグロなど)
特定の魚に偏らず、様々な種類の魚をバランス良く食べることがおすすめです。
ビタミンAを含む食品
ビタミンAは妊娠中にも欠かせない栄養素ですが、特に妊娠初期に動物性ビタミンAを摂りすぎると、赤ちゃんへ影響が及ぶ可能性があります。
レバーやうなぎは代表的な食品で、栄養価が高い一方、ビタミンAの含有量が非常に多いため注意が必要です。少量であれば問題ありませんが、継続して多く食べることは避け、量や頻度を意識して取り入れましょう。
アルコール飲料
妊娠中のアルコール摂取は、少量であっても赤ちゃんに深刻な影響を及ぼす可能性があります。アルコールは胎盤を通じて直接届き、「胎児性アルコール症候群」の原因となることもあります。
妊娠が判明したらすぐに禁酒することが大切です。ノンアルコール飲料を選ぶ場合も、アルコール分0.00%であるかどうかを必ず確認しましょう。
カフェインを多く含む飲み物
カフェインを摂りすぎると胎児の発育に悪影響を及ぼし、低体重や将来的な健康リスクにつながる可能性があります。
カフェインはコーヒーや紅茶、緑茶、栄養ドリンクなどに含まれています。完全に避ける必要はありませんが、摂取量には十分気を配りましょう。
世界保健機関(WHO)は、1日あたりのカフェイン摂取量を300mgまでとしています。コーヒーであればマグカップ約2杯が目安です。カフェインレスの飲み物を取り入れるのもおすすめです。
妊娠初期に積極的に摂りたい栄養素と食材

妊娠初期は赤ちゃんの健やかな発育を支えるために、積極的に摂りたい栄養素もあります。栄養バランスを意識しながら、ここで紹介する栄養素を意識して取り入れることが大切です。
葉酸
葉酸は、赤ちゃんの脳や脊髄など中枢神経系の形成に欠かせない大切な栄養素です。妊娠初期に不足すると、胎児が「神経管閉鎖障害」という先天性異常を発症するリスクが高まることがわかっています。
- ほうれん草
- ブロッコリー
- いちご
- 納豆
葉酸は、上記のような食材に豊富に含まれています。食事からの摂取に加え、サプリメントの活用も推奨されています。
鉄分
妊娠中は赤ちゃんへ栄養を届けるために血液量が増えるため、多くの妊婦さんが鉄分不足による貧血になりやすくなります。鉄分が不足すると、めまいや動悸、疲れやすさなどの症状が現れることがあります。
- 赤身の肉や魚
- あさり
- 小松菜
- 納豆などの大豆製品
ビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がるため、果物や野菜と組み合わせるのがおすすめです。
カルシウム
カルシウムは、赤ちゃんの骨や歯をつくるために欠かせない重要な栄養素です。
- 牛乳やヨーグルトなどの乳製品
- 豆腐や油揚げなどの大豆製品
- しらす干しなどの小魚
- 緑黄色野菜
妊娠中に不足すると、お母さんの骨に蓄えられたカルシウムが利用されるため、将来的に骨粗しょう症のリスクが高まる可能性があります。
バランスの良い食事を心がけることが大切
特定の栄養素だけに偏るのではなく、主食・主菜・副菜をそろえたバランスの良い食事を続けることが大切です。さまざまな食材を組み合わせることで、必要な栄養素を効率よくまんべんなく摂ることができます。
つわりなどで食事が難しい時期もありますが、無理のない範囲でできるだけ多くの品目を取り入れるよう心がけましょう。
妊娠初期の食生活をサポートする3つのポイント

妊娠初期はつわりなど、体調の変化で食事が思い通りにいかないことも多いでしょう。ここでは、そんな時期の食生活をサポートする3つのポイントを紹介します。
つわりで食欲がない時の食事の工夫
つわりで食欲がないときは、無理に量を食べようとせず、口にできるものを少しずつ取り入れることが大切です。次のような食べ物は、比較的口にしやすいといわれています。
- 冷たいもの
- のどごしの良いそうめん
- ゼリー
つわりの時期はにおいに敏感になることが多く、温かい料理よりも冷ました食事の方が受け入れやすい場合があります。水分補給を忘れず行い、体調の良いタイミングで栄養のある食事を意識して取り入れましょう。
外食やコンビニ食を選ぶ時の注意点
外食やコンビニを利用するときは、メニュー選びに注意を払うことが大切です。生ものや加熱不足の料理は避け、しっかり火の通った定食や丼ものを選ぶと安心できます。
サラダを食べる際は、新鮮で十分に洗浄されているかを確認しましょう。さらにコンビニ弁当を選ぶ場合は、添加物だけでなく塩分や脂質の量も栄養成分表示で確認する習慣をつけると、より健康的な食生活につながります。
サプリメントを上手に活用する方法
食事の基本はバランスの良い内容ですが、つわりで十分に食べられない時や特定の栄養が不足しがちな時には、サプリメントが役立ちます。特に葉酸や鉄は食事だけで必要量を満たしにくいため、補助的に取り入れるのが有効です。
一方で、ビタミンAのように過剰摂取へ注意が必要な栄養素もあります。利用する際は必ず妊婦向けの製品を選び、かかりつけ医に相談したうえで始めると安心です。
食べ物に関する妊娠初期のうっかりと対処法

どれだけ気をつけていても、「うっかり食べてしまった」という経験をするかもしれません。そのような場合の心の持ち方と対処法を知っておくことで、余計な不安を減らすことができます。
食べてはいけないものを口にした時の対処法
注意が必要な食品を少量口にしてしまっても、一度きりであれば過度に心配する必要はありません。多くの場合、一度食べただけで赤ちゃんに影響が出る可能性は低いと考えられています。
不安を引きずらず「次から気をつけよう」と切り替えることが大切です。ただし、下痢や嘔吐、発熱といった症状が現れた場合は、食中毒の可能性があります。
その際は、すぐに産婦人科やかかりつけの医療機関へ連絡し、指示を仰ぎましょう。
完璧を目指しすぎないことの大切さ
妊娠中の食事管理は重要ですが、「あれもダメ、これもダメ」と制限しすぎると大きなストレスにつながります。ストレスは母体だけでなく、お腹の赤ちゃんにとっても望ましい影響を与えません。
「基本は守りつつ、時には息抜きもする」という気持ちで大らかに構えることが、快適なマタニティライフを送るポイントです。正しい知識を身につけたうえで、前向きに食事と向き合いましょう。
妊娠初期の食べてはいけないものに関するよくあるご質問

最後に、妊娠初期の食べてはいけないものに関するよくある質問に回答します。
- 加熱すれば食べても良い野菜や果物はありますか?
- お菓子や甘いものは赤ちゃんに影響しますか?
- ハーブティーやスパイス類で避けるべきものはありますか?
- プロセスチーズや加熱したナチュラルチーズは食べても大丈夫ですか?
- 妊娠中期や後期になると食事の注意点は変わりますか?
加熱すれば食べても良い野菜や果物はありますか?
生の野菜や果物は基本的に食べても問題ありません。
ただし土壌由来のトキソプラズマが付着している可能性があるため、口にする前には流水で丁寧に洗うことが大切です。もし不安な場合は、加熱してから食べると安心できます。
お菓子や甘いものは赤ちゃんに影響しますか?
お菓子や甘いものを口にすること自体が、赤ちゃんへ直接悪影響を及ぼすわけではありません。
ただし糖分を摂りすぎると、急激な体重増加や妊娠糖尿病のリスクを高める可能性があります。完全に我慢する必要はなく、食べる量や時間を決めて適度に楽しむことが大切です。
ハーブティーやスパイス類で避けるべきものはありますか?
一部のハーブには子宮を収縮させる作用があるとされ、妊娠中は避けた方が良いと考えられています。
代表的なものにレモングラスやシナモンなどが挙げられます。普段飲んでいるハーブティーや使用しているスパイスが心配な場合は、事前にかかりつけ医や専門家へ確認すると安心です。
プロセスチーズや加熱したナチュラルチーズは食べても大丈夫ですか?
プロセスチーズは製造過程で加熱殺菌されているため、妊娠中でも安心して食べられます。ナチュラルチーズでも、ピザやグラタンのように中心まで十分加熱されていればリステリア菌は死滅し、問題なく口にできます。
妊娠中期や後期になると食事の注意点は変わりますか?
妊娠中の基本的な注意点は、全期間を通じて共通しています。ただし中期以降は赤ちゃんの成長に伴い、特に鉄分やカルシウムの必要量が増える点に注意が必要です。
また、体重管理の重要性も高まるため、高カロリーな食事の摂りすぎには十分気をつけましょう。
まとめ
妊娠初期に避けたい食品として、生ものや一部の魚、レバーなどがあり、食中毒や栄養素の過剰摂取を防ぐため注意が必要です。
ただし重要なのは「食べてはいけないもの」に縛られすぎず、さまざまな食材をバランス良く摂ることです。
完璧を目指してストレスを抱えると赤ちゃんへの影響も懸念されますので、「うっかり食べてしまった」と過度に自分を責めないことも大切です。知識を参考に工夫し、穏やかなマタニティライフを過ごしましょう。

