川崎市宮前区での子育ては、行政の支援制度をうまく活用することで、経済的・精神的な負担を大きく減らすことができます。
とはいえ、支援の種類が多く、公式サイトを見ても「どこに何が書いてあるのか分かりづらい」と感じる方も少なくありません。そこで本記事では、宮前区の子育て支援制度について、目的別にわかりやすく解説します。
宮前区に転入したばかりの方や、日々の子育てや家計に奮闘している家庭にとって、役立つ情報をまとめています。ぜひ参考にしてみてください。
宮前区で利用できる子育て支援制度

宮前区には、子育て世帯の様々な状況に応じた支援制度が用意されています。経済的な負担を軽くするものから、いざという時の預かりサービスまで、目的別に活用することが可能です。
それぞれの内容を知ることで、自分の家庭に合ったサポートを見つけやすくなるでしょう。
目的別にわかる宮前区の子育て支援制度
宮前区の子育て支援は、大きく3つのカテゴリに分けられます。どのような種類のサポートがあるか全体像を把握しましょう。
- お金の支援
出産育児一時金、児童手当、医療費助成など、家計を直接サポートする制度 - 預かり・サポートの支援
一時保育やファミリー・サポート・センターなど、仕事や急用時に子どもを預けられるサービス - 相談・交流の支援
地域子育て支援センターなど、育児の悩みを相談したり、親子で交流したりできる場所の提供
これらの制度は、それぞれ対象者や利用条件が異なります。自分の目的に合わせて、詳細を確認することが大切です。
経済的に助かる支援・補助制度
子育てには何かと費用がかかるため、経済的な支援はとても大切です。宮前区では、出産時に受け取れる給付金や、子どもの医療費助成など、さまざまな制度が整っています。
ただし、これらの支援は多くの場合、自分で申請しなければ受けられません。「知らなかった」と後悔しないよう、妊娠・出産や転入の際には、どの制度が利用できるのかを事前に確認しておきましょう。
いざという時に頼れる預かり・サポート制度
共働き家庭や近くに頼れる親族がいない家庭にとって、子どもの預け先は大きな課題です。宮前区では、保護者の就労やリフレッシュ、急な用事などに対応できる多様な支援サービスが整っています。
代表的なものに、短時間から利用できる一時保育や、地域住民が協力し合うファミリー・サポート・センターがあります。これらの制度を上手に活用することで、子育ての負担を軽減し、保護者が心にゆとりを持てる環境づくりにつながります。
子育て世帯のための手当・補助制度

宮前区には子育て世帯のための手当・補助制度が数多くあります。この見出しでは、それぞれの制度について解説します。
なお、各制度の詳しい内容は、川崎市の公式サイトをチェックしましょう。
妊婦のための支援給付(旧:出産・子育て応援事業)
川崎市では、妊娠から出産・子育てまでを切れ目なく支援するため、「妊婦のための支援給付※」を実施しています。
給付金は2回に分けて支給され、第1回は妊婦1人あたり5万円、第2回は胎児の人数に応じて1人につき5万円が支給されます。所得制限はなく、妊娠届出時の面談で第1回分、出産後の訪問時に第2回分の申請案内が行われます。
また、流産・死産・人工妊娠中絶、あるいは出産後にお子さんを亡くされた場合でも、胎児の心拍が確認されていれば対象です。ただし、申請期限が定められているため、早めの手続きを心がけましょう。
小児医療費助成事業
川崎市の「小児医療費助成事業※」は、市内在住で健康保険に加入している0歳から中学校卒業までの子どもを対象に、医療費の自己負担を軽減する制度です。
通院は0歳~小学3年生までが全額助成、小学4年生~中学3年生は1回につき最大500円の自己負担で受診できます。入院は0歳から中学3年生まで全額助成となり、所得制限はありません。
なお、生活保護受給者、児童福祉施設入所者、里親委託中の児童、他の医療費助成制度を受けている場合は対象外です。申請には医療証の交付が必要で、医療機関の窓口で提示すると自己負担分が軽減されます。
参照元
川崎認定保育園等保育料補助金
川崎市の「川崎認定保育園等保育料補助金※」は、認可外保育園のうち市が認定する保育施設(川崎認定保育園等)を利用する児童の保護者に対し、保育料の一部を補助する制度です。
補助を受けるための要件の一例を紹介します。
- 保護者と児童が市内在住であること
- 保育料を滞納していないこと
- 児童が週4日以上通園していること
- 保護者が月64時間以上働いていること
- 妊娠・産後など保育が困難な事情がある
- 通学等で保育ができない
補助金額は児童の年齢や所得に応じて異なり、0~2歳児は所得割市民税相当額が一定未満であれば月額上限2万円、以上であれば1万円、3歳以上児は上限5,000円です。
補助金は1回の申請で4~9月分、10月~翌3月分に分けて支給されます。制度を利用するには、期日内に申請することが重要です。
参照元
児童扶養手当
川崎市の「児童扶養手当※」は、離婚や死別、行方不明、配偶者との別居などの事情で父または母と生計を共にしていない児童を養育している保護者に支給される手当です。
対象となるのは18歳になる年度の末日までの児童(障害のある場合は20歳未満)です。
手当額は児童の人数と所得に応じて決まり、1人の場合の満額は月額約46,690円で、所得が一定以上の場合は一部または全額が支給停止となります。
支給日は奇数月の11日で、2か月分をまとめて振り込まれます。支給開始から5年または7年が経過すると、一部支給停止措置が適用される場合がありますが、就労や病気など特別な事情がある場合は免除されることがあります。
参照元
預かり・サポートの支援制度

仕事や通院、冠婚葬祭といった急な用事の際に、子どもを預けられるサービスが宮前区にはあります。共働き家庭だけでなく、育児のリフレッシュ目的でも利用できるのが特徴です。
ここでは、一時保育とファミリー・サポート・センター事業について解説します。
一時保育
一時保育とは、日常的に保育園へ通っていない子どもを対象に、保護者の都合や急な用事などの際に一時的に預かってもらえる制度です。
宮前区では、公立や民間の保育園などでこのサービスを実施しています。
- 利用できる場面
保護者のパート就労、通院、冠婚葬祭、私的な理由によるリフレッシュなど - 利用時間の上限
原則として、週3日または月64時間以内 - 実施施設
公立保育園、民間保育園、認定保育園など - 利用方法
利用したい園に直接申し込み、予約を行う
「少しだけ自分の時間がほしい」という時にも頼れる、子育て世帯に役立つサービスですが、事前に登録や面談が必要な場合が多い点に気を付けましょう。
ふれあい子育てサポート事業(ファミリー・サポート・センター事業)
「ふれあい子育てサポート事業(ファミリー・サポート・センター事業)※」とは、育児援助を「したい人(子育てヘルパー会員)」と「受けたい人(利用会員)」がそれぞれ会員登録を行い、センターがマッチングして、両者が相談の上でお子さんの一時預かりや送迎などの支援を行う制度です。
- 仕組み
育児援助をしたい人・受けたい人が会員登録を行い、支援を行う制度 - 依頼できる内容
保育園や習い事の送迎、保護者の外出中の預かりなど - 料金の目安
平日日中は1時間800円程度。提供会員へ直接支払いを行う - 利用手順
事前に会員登録と説明会への参加が必要。センターを通じて提供会員を紹介してもらう
近くに頼れる親族がいない家庭にとって、地域の中で頼れるサポートです。
相談・交流の支援制度

初めての育児や、慣れない土地での子育ては、不安や孤立感を感じやすいものです。宮前区には、気軽に悩みを相談したり、他の親子と交流したりできる場所が複数あります。
地域子育て支援センター
地域子育て支援センター※1は、0歳から就学前の子どもと保護者が自由に立ち寄って遊べる場です。妊娠中の方やそのパートナーも見学やイベント参加、子育て相談ができます。
専任スタッフが常駐し、親子の遊びの場や育児相談、地域の子育て情報提供、講座の開催といったサービスを無料で提供※2しています。
| 施設名 | 住所 |
|---|---|
| 地域子育て支援センター花の台 | 宮前区馬絹1-24-9 こどものいえもも保育園内 |
| 地域子育て支援センターすがお | 宮前区菅生5-3-21 |
| 地域子育て支援センターペジーブル | 宮前区土橋3‐1‐6 さぎ沼なごみ保育園内 |
| 地域子育て支援センターたいら | 宮前区平2-13-1 平こども文化センター内 |
| 地域子育て支援センターみやざき | 宮前区宮崎1‐7 宮崎こども文化センター内 |
| 地域子育て支援センターのがわ | 宮前区野川1-25-23 野川こども文化センター内 |
| 地域子育て支援センターつちはし | 宮前区土橋2‐14‐1 |
| 地域子育て支援センターたつのこのこ | 宮前区土橋4‐7‐1 たつのこのはら保育園内 |
同じくらいの年齢の子どもを持つ保護者同士の出会いの場にもなり、地域のつながりを作るきっかけになります。
参照元
※1 川崎市「地域子育て支援センター」
※2 一部講座は実費あり
子育てひろば・サロン
「子育てひろば」や「サロン」は、地域子育て支援センターよりもさらに気軽に利用できる交流の場※です。地域のこども文化センターや会館などで、決まった曜日や時間に開かれています。
多くの施設は予約不要で参加費も無料です。地域のボランティアが見守る中、親子でゆったりと過ごすことができます。
「今日はどこに行こうかな」と思った日には、気軽に立ち寄ってみるのもおすすめです。開催日時は区の広報誌などで確認できるので、ぜひチェックしてみてください。
区役所の総合相談窓口
子育てに関する悩みや手続きで、どこに相談すればよいか迷ったときは、まずは宮前区役所の「地域みまもり支援センター(福祉事務所・保健所支所)児童家庭課」へ問い合わせてみましょう。
ここは子育てに関する総合的な相談窓口です。内容に応じて、適切な専門機関や支援サービスを紹介してもらえます。
また、川崎市では「妊娠・出産SOS電話相談」などの専門窓口も用意されています。育児に疲れを感じたときや悩みを抱えたときは、無理をせず公的な相談先を活用することが大切です。
宮前区・川崎市独自の便利な子育て支援事業

宮前区が属する川崎市は、政令指定都市の中でも特に子育て支援に力を入れている自治体の一つです。国の制度に加えて、市独自のきめ細やかな事業が充実しています。
ここでは、特に共働き世帯や産後の家庭に役立つ、以下の事業を紹介します。
産前・産後家庭支援ヘルパー派遣事業
川崎市の「産前・産後家庭支援ヘルパー派遣事業」は、出産前後の母親が休養を必要としたり、体調が優れず家事や育児を手伝ってくれる人がいない場合に、ヘルパーを自宅に派遣して支援する制度です。
対象は市内在住の妊婦および出産後6ヶ月以内(多胎児は1年以内)の母親で、家事や育児の援助を受けられます。
利用は午前8時から午後7時までの間で2時間以内、1日2回まで、延べ20回(多胎児は60回)まで可能です。なお、生活保護世帯や市民税非課税世帯は利用料が免除されます。
産後ケア事業
川崎市の「産後ケア事業」は、出産後の母親と赤ちゃんが安心して生活できるよう支援する制度です。対象は市内在住の母子で、宿泊型・日帰り型は生後4か月未満、訪問型は生後1歳未満の乳児をもつ母親が利用できます。
授乳や乳房ケア、休息、育児相談、沐浴や発育チェックなどの支援を受けることが可能です。利用料は利用形態によって異なり、生活保護世帯や市民税非課税世帯には減免制度があります。
申請は電子申請サービス「e-KAWASAKI」から行い、妊娠32週以降から申し込みが可能です。
病児保育事業
川崎市の「病児保育事業」は、子どもが病気のため通常の保育や学校生活が難しいときに、保護者が仕事などで家庭での看病ができない場合に利用できる制度です。
対象は市内在住の生後5か月から小学3年生までの児童で、平日8時から18時まで看護師と保育士が常駐し、医師の指示に基づいた薬の投与や食事のサポートを受けられます。
利用料は1日2,900円(食事・おやつ代含む)で、生活保護世帯や市民税非課税世帯は減免があります。利用には事前登録と主治医の指示書、予約が必要です。
休日保育
川崎市の「休日保育」は、日曜や祝日など家庭で保育が難しい場合に、指定された保育園で子どもを預かる制度です。
対象は普段から保育所などに通っている児童で、保護者の就労などにより休日の保育が必要な家庭が利用できます。利用時間は午前8時から午後6時までで、12月29日から1月3日を除き実施されています。
1日あたりの定員はおおむね10名程度です。利用には事前登録と申し込みが必要で、利用日や保育園との調整を行ったうえで実施されます。
川崎市と横浜市を比較した子育て支援の特徴

宮前区への転居を考えている方にとって、他のまちと比べて子育て環境がどうなのかは気になるところでしょう。ここでは、隣接する横浜市との比較や、宮前区の子育て環境の全体像について解説します。
川崎市と横浜市の子育て支援制度の違い
| 支援項目 | 川崎市(宮前区) | 横浜市 |
|---|---|---|
| 子どもの医療費 | 小4~中3:1回500円の負担 | 所得制限なし・自己負担ゼロ |
| 認可外保育施設の補助 | 月額最大2万円の独自補助 | 横浜保育室制度で手厚い補助 |
| 産後ヘルパー | 安価な市独自の派遣事業あり | 母子ケア事業の一部として実施 |
| ごみの戸別収集 | あり | なし(集積所収集) |
川崎市と横浜市の子育て支援には共通点もありますが、特徴に違いがあります。医療費助成では横浜市が中学卒業まで所得制限なし・自己負担ゼロに対し、川崎市は同条件ながら小4~中3に1回500円の負担があります。
認可外保育では横浜市が「横浜保育室制度」で手厚い補助を行うのに対し、川崎市は月額最大2万円の独自補助を実施。
産前産後ヘルパーは川崎市が安価な市独自派遣を行い、横浜市は母子ケア事業の一部として実施するのでやや高めです。ごみ収集は川崎市が戸別、横浜市は集積所方式です。
宮前区子育てのメリット
川崎市宮前区で子育てをするメリットは、主に次のとおりです。
- 自然環境・住環境が整っている
- 子育て支援制度・施設が充実している
- 交通・利便性も良好
川崎市宮前区は、自然と都市機能のバランスが取れた子育てに適した地域です。多摩丘陵の緑が残り、公園や遊歩道が多く、子どもがのびのび遊べる環境が整っています。
住宅街が中心で落ち着いた雰囲気があり、安全面でも安心です。区内には地域子育て支援センターや児童館が充実しており、育児相談や親子の交流の場が身近にあります。
また、東急田園都市線を利用すれば渋谷や横浜方面へのアクセスも良く、通勤や買い物にも便利です。自然・支援制度・利便性の三拍子が揃った暮らしやすいエリアです。
宮前区子育てのデメリット・注意点
一方で、宮前区で子育てをするデメリット・注意点は以下の2つです。
- 保育・幼児期の入園競争が高い
- 地形・アクセス面のハードル
川崎市宮前区は子育て世帯に人気が高く、その分、保育園や幼稚園の入園競争が激しい傾向があります。特に0〜2歳児クラスは定員が限られており、希望する園に入れないケースも少なくありません。
待機児童は減少傾向にあるものの、人気エリアや駅近の園は申し込みが集中しやすい状況です。また、宮前区は丘陵地帯にあり、坂道や高低差が多いことから、ベビーカーや自転車での移動が負担になる地域もあります。
駅から離れるとバス移動が必要な場合も多く、通園や買い物の際に不便を感じることがあります。
宮前区の子育て支援制度に関するよくある質問

最後に、宮前区の子育て支援制度に関するよくある質問に回答します。
- 川崎市の「子育て世帯への臨時特別給付金」は今もありますか?
- 制度を利用したい場合、どこに問い合わせればよいですか?
- 支援制度には所得制限がありますか?
- 宮前区に引っ越してきたばかりでも、すぐに利用できますか?
- 赤ちゃん(0歳児)と保護者が集まる場所はありますか?
川崎市の「子育て世帯への臨時特別給付金」は今もありますか?
国が実施していた子育て世帯への臨時特別給付金(10万円)は、受付を終了しており、現在は行われていません。今後の支援策については、川崎市の公式サイトなどで最新情報を確認してください。
制度を利用したい場合、どこに問い合わせればよいですか?
ほとんどの子育て支援制度に関する総合的な窓口は、宮前区役所の児童家庭課です。どの制度が利用できるか、手続きはどうすればよいかなど、分からないことがあればまず児童家庭課に相談するのがおすすめです。
支援制度には所得制限がありますか?
制度によって所得制限の有無は異なります。例えば、子どもの医療費助成には所得制限がありませんが、児童手当や児童扶養手当には所得制限が設けられています。
利用したい制度ごとに条件を確認することが必要です。
宮前区に引っ越してきたばかりでも、すぐに利用できますか?
宮前区に転入し、住民登録を済ませれば、川崎市民として各種支援制度を利用することができます。ただし、制度によっては申請から利用開始までに時間がかかるものもあるため、早めに情報を集めて手続きを進めましょう。
赤ちゃん(0歳児)と保護者が集まる場所はありますか?
宮前区内にある各「地域子育て支援センター」は、0歳の赤ちゃんから利用できます。同じくらいの月齢の赤ちゃんと保護者が集まるので、情報交換や友人作りの場としても役立ちます。
また、「子育てひろば」でも赤ちゃん向けのイベントが開催されることがあります。
まとめ
宮前区の子育て支援制度について解説しました。宮前区には、子育て世帯の経済的な負担を軽くする助成制度から、共働き家庭を支える多様な預かりサービス、孤立を防ぐ相談・交流の場まで、充実した支援体制が整っています。
これらの制度の多くは、自分から情報を探し、申請しないと利用できません。利用できる制度を事前に把握しておくことが大切です。まずは宮前区の公式サイトで詳細を確認したり、区役所の児童家庭課に問い合わせたりするのがおすすめです。

