保育園には認可保育園と認可外保育園の2種類がありますが、どのような違いがあるのかよくわからない方も多いのではないでしょうか。
費用や保育内容、施設・安全基準などがそれぞれ異なり、選び方を間違えると「もっと調べておけばよかった」と後悔することも少なくありません。
特に待機児童問題がある地域では、希望する園に入れないケースもあるため、早めに特徴を理解しておくことが大切です。
そこで本記事では、それぞれの保育園の違いをわかりやすく整理し、メリット・デメリットを紹介します。保育園探しで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
【結論】認可保育園と認可外保育園、結局どっちを選べばいいの?

認可保育園と認可外保育園は大きく分けて5つの違いがあります。まず、この見出しではそれぞれの施設がどのような家庭におすすめなのかを紹介します。
認可と認可外の5つの大きな違い【一覧表】
| 比較項目 | 認可保育園 | 認可外保育園 |
|---|---|---|
| 費用(保育料) | 自治体が世帯所得に応じて決定する 保育料は家庭により異なる | 施設が独自に設定する 認可保育園よりも高い傾向がある |
| 施設・安全基準 | 国の厳しい基準を満たしている | 独自の基準で運営している 施設ごとの差が大きい |
| 保育内容 | 国の指針に沿った標準的な保育 | 英語教育・音楽など 施設独自の特色ある保育がある |
| 入園のしやすさ | 自治体による選考あり 希望しても入れない可能性がある | 施設との直接契約 空きがあれば比較的入りやすい |
| 保育時間 | 原則8〜11時間 延長保育に制限がある場合もある | 早朝・夜間・休日など、 柔軟な対応が可能な施設が多い |
認可保育園と認可外保育園の主な違いを5つのポイントで整理しました。それぞれの特徴を比較することで、全体像を把握しやすくなります。
認可保育園がおすすめの家庭
国の基準を満たした施設に費用を抑えて子どもを預けたい家庭には、認可保育園が適しています。保育料は世帯所得に応じて決まるため、家計の見通しを立てやすい点が大きなメリットです。
さらに、施設の広さや保育士数などに明確な基準が設けられているため、どの園を選んでも一定以上の環境が保証されています。日中に標準的な勤務をする保護者にとって、安心して利用できる選択肢といえるでしょう。
認可外保育園がおすすめの家庭
働き方や教育方針に合わせて柔軟に保育サービスを利用したい家庭には、認可外保育園が向いています。早朝や夜間、休日保育など、認可保育園では対応しづらい時間帯にも対応する施設が多い点が特徴です。
さらに、英語教育やリトミック、モンテッソーリなど独自のプログラムを導入する園も少なくありません。
子どもの個性や家庭の教育方針に合う環境を選びやすいことが魅力です。急な預け先が必要な時や、特定の教育を受けさせたい場合に特に役立つでしょう。
認可・認可外保育園の5つの違い

ここでは、保育園選びで特に重要となる5つのポイントについて、さらに詳しく解説します。
費用(保育料)の仕組みと無償化の範囲
保育料は家計に大きく影響するため、園を選ぶ際の重要なポイントになります。
認可保育園では、自治体が保護者の所得に応じて金額を決定するため、所得が低い家庭ほど負担は軽くなる点が大きな特徴です。
一方で、認可外保育園の保育料は各施設がサービス内容に合わせて独自に設定します。
一般的には認可保育園より高めですが、幼児教育・保育の無償化制度の対象には含まれます。ただし上限があり、それを超える分は自己負担となるため、事前に確認しておくことが欠かせません。
施設・設備の基準と安全性
子どもの安全に直結する施設基準にも、大きな違いが見られます。
認可保育園は国の「児童福祉施設最低基準」を満たす必要があり、保育室の広さや保育士の配置人数、園庭の有無などが厳格に定められています。
一方、認可外保育園にはそこまで厳しい基準は設けられていません。ただし、自治体への届出は必須で、定期的な立入調査も実施されています。
園庭がない場合でも、公園を活用するなど子どもが快適に過ごせる工夫がされています。
保育内容(保育時間・教育方針)
保育時間や教育方針は、家庭のライフスタイルや教育観に合うかどうかを判断する重要な基準です。
認可保育園では国の保育所保育指針に沿い、子どもの発達段階に合わせた標準的な保育が実施されます。
一方で、認可外保育園は施設ごとに独自の保育サービスを展開しています。英語教育やスポーツ活動、夜間や休日保育など、家庭の多様なニーズに柔軟に対応できる点が特徴です。
選ぶ施設によって、子どもが得られる教育や体験は大きく異なります。
申し込み方法と入園のしやすさ
入園手続きや入園のしやすさも、認可と認可外で大きく異なります。
認可保育園を希望する場合は、お住まいの自治体の窓口で申し込みを行い、家庭の状況を点数化したうえで選考が実施されます。そのため、希望しても必ず入園できるとは限りません。
一方、認可外保育園は施設へ直接申し込み、契約を結ぶ流れです。自治体による選考はなく、定員に空きがあれば年度途中でも比較的入りやすいのが特徴です。
特に、仕事復帰の時期が決まっている家庭にとっては、確実に入園できる有力な選択肢となります。
運営主体の種類
保育園の運営主体も大きな違いのひとつです。認可保育園は主に、市区町村などの自治体が運営する公立保育園と、社会福祉法人・学校法人が運営する私立保育園の2種類があります。
この2つが中心となり、国や自治体からの補助金を受けて運営されるため、経営が安定しています。
一方で、認可外保育園は株式会社やNPO法人、個人など多様な主体が運営しています。企業が従業員のために設置する事業所内保育施設もこの分類に含まれます。
運営者によって保育方針やサービスが大きく変わるため、選択肢の幅が広い点が特徴です。
認可外保育園のデメリットは本当か?

認可外保育園と聞くと、費用や施設基準について不安を感じる方も多いのではないでしょうか。ここでは、認可外保育園のデメリットは本当なのか解説します。
「保育料が高い」は本当?
認可外保育園の保育料は、認可保育園と比べて高額になりやすいのが現状です。料金は施設ごとに独自設定され、月額の相場は5~8万円程度となっています。
とはいえ、すべてを自己負担する必要はありません。3歳から5歳までは月額3.7万円までが無償化の対象です。
さらに自治体によっては独自の補助金制度を設けている場合もあるため、地域の制度を確認し、実際の負担額を試算しておくことが重要です。
なぜ認可外保育園は認可されないのか
「認可されていない保育園」と聞くと質が低い印象を持つ人もいますが、必ずしもそうではありません。
国の基準をすべて満たしていなくても、独自の教育方針やサービスを提供するため、あえて認可を受けない施設も存在します。
たとえば、駅前ビル内で夜間保育を行う場合、園庭の設置基準を満たせないことがあります。
保育士資格についても全員に必須ではありませんが、多くの施設では有資格者を中心に体制を整え、質の高い保育を実現しています。
認可外保育園選びで後悔しないためのチェックポイント
認可外保育園は施設ごとの特徴が大きいため、入園前の見学が非常に重要です。後悔しないためにも、以下で挙げるチェックポイントを参考にしてください。
- 施設は清潔が保たれているか
- 整理整頓が徹底されているか
- 子どもたちがのびのびと楽しそうに過ごしているか
- 保育士の子どもへの接し方や言葉遣いが丁寧か
- おもちゃや絵本が子どもの発達に合わせて用意されているか
- 災害時の避難経路や不審者対策などの管理体制はどうなっているか
- 給食やおやつの内容、アレルギーへの対応は万全か
- 延長保育の料金や急な預かりへの対応は可能か
家庭によって重視したいポイントは異なるため、詳しく聞きたい方は施設に直接問い合わせましょう。
認可保育園・認可外保育園のメリット・デメリット

認可保育園と認可外保育園それぞれのメリット・デメリットを整理します。両方の特徴を比較し、家庭と子どもにとってどちらがより適しているかを判断してください。
認可保育園のメリット・デメリット
認可保育園のメリット・デメリットは以下のとおりです。
- メリット
- 保育料が世帯所得に応じて決まる
- 国の基準を満たしており、保育の質が安定している
- 保育士の有資格者比率が高い
- 園庭など、子どもが遊ぶための設備が充実している
- デメリット
- 自治体の選考があり、希望しても入園できないことがある
- 保育時間が固定されており、延長保育の対応に限りがある
- 独自の教育プログラムなどは少ない傾向にある
認可保育園の最大のメリットは、保育料の負担が少なく、公的な基準を満たしていることです。一方で、入園のしにくさやサービスの柔軟性の面でデメリットを感じる場合があります。
認可外保育園のメリット・デメリット
では次に、認可外保育園のメリット・デメリットを見ていきましょう。
- メリット
- 定員に空きがあれば、年度途中でも入園しやすい
- 早朝・夜間・休日など多様な保育ニーズに対応可能
- 英語教育など、特色ある教育プログラムを選べる
- 施設との直接契約なので手続きがスムーズ
- デメリット
- 保育料が認可保育園に比べて高額になる傾向がある
- 施設によって保育の質や施設基準にばらつきがある
- 園庭がないなど、設備面が認可保育園に及ばない場合がある
認可外保育園は、入園のしやすさやサービスの柔軟さが大きな魅力です。ただし、保育料が高くなる可能性があり、さらに保育の質を保護者自身で見極める必要がある点には気を付けなくてはいけません。
後悔しない保育園の選び方

認可保育園と認可外保育園の違いを理解したうえで、実際に自分の家庭に合った保育園を選ぶための具体的な3つのステップを紹介します。
家庭の優先順位を明確にする
まずは保育園選びで何を最優先にするのか、家庭内で話し合い優先順位を決めましょう。
「保育料の安さ」を重視するなら認可保育園、「通勤の便利さ」や「保育時間の柔軟性」を求めるなら認可外保育園が候補になるかもしれません。
譲れない条件と妥協できる条件を整理しておくことで、多くの選択肢の中から自分たちに合う園の基準が見えてきます。この判断軸が、今後の情報収集や施設選びの大切な指針となります。
情報収集を行い保育園の候補を絞る
家庭の優先順位が定まったら、次は市区町村のサイトや窓口で情報収集を始めましょう。認可保育園の一覧だけでなく、届出済みの認可外保育園についても確認できます。
さらに、インターネットの口コミサイトや地域のママ友からの評判も貴重な情報源です。
良い面だけでなく不安点も調べることで、多角的に保育園を比較できます。いくつか候補をリストアップしておくと検討が進めやすくなるでしょう。
園見学で最終確認する
候補の保育園が絞れたら、必ず園見学の予約を取りましょう。資料や口コミだけでは分からない施設の雰囲気や、保育士と子どもたちの関わりを自分の目で確認することが大切です。
園見学では、子どもがのびのび過ごせるか、保育士が笑顔で接しているかなど環境を丁寧にチェックします。
疑問点や不安はその場で質問して解消し、最終的に「ここなら安心して預けられる」と感じられる園を選ぶことが重要です。
認可保育園と認可外保育園の違いに関するよくあるご質問

最後に、認可保育園と認可外保育園の違いに関するよくある質問に回答します。
- 認可保育園と認可外保育園を併願することはできますか?
- 認可外保育園から認可保育園へ転園することは可能ですか?
- 慣らし保育の期間や内容に違いはありますか?
- 兄弟がいる場合、入園のしやすさに違いはありますか?
- 東京都の「認証保育所」は認可・認可外のどちらですか?
認可保育園と認可外保育園を併願することはできますか?
認可保育園と認可外保育園を併願することは可能です。多くの家庭では認可保育園に申し込みつつ、並行して認可外保育園の見学や手続きを進めています。
認可保育園の選考結果を待つ間に、もしもの場合の預け先を確保しておけば、仕事復帰に向けた準備を安心して進められるでしょう。
認可外保育園から認可保育園へ転園することは可能ですか?
認可外保育園から認可保育園へ転園することは可能です。まず認可外に入園して仕事へ復帰し、その後、翌年度4月の入園を目指して認可保育園へ申し込むケースも少なくありません。
ただし、転園を希望する場合も新規申し込みと同じく自治体の選考を受ける必要があります。そのため、転園を前提に考える場合は、早めに情報収集を始めておきましょう。
慣らし保育の期間や内容に違いはありますか?
慣らし保育の期間や内容については、認可保育園・認可外保育園で大きな差はありません。どちらの施設でも子どもが環境に慣れるよう、1~2週間程度の慣らし期間を設けるのが一般的です。
ただし、具体的な期間や進め方は園ごとの方針で異なります。安心して入園を迎えるためにも、事前に確認しておくことが大切です。
兄弟がいる場合、入園のしやすさに違いはありますか?
兄弟がいる場合、入園のしやすさには認可保育園と認可外保育園で違いがあります。認可保育園では兄弟が同じ園に在籍していると調整指数が加点され、多くの自治体で選考が有利になります。
一方、認可外保育園にはそのような公的ルールはありません。ただし、兄弟割引を設けている施設もあり、費用面でのメリットにつながる場合があります。
東京都の「認証保育所」は認可・認可外のどちらですか?
東京都独自の制度である「認証保育所」は、国の区分では「認可外保育施設」に含まれます。
ただし、東京都が設ける厳格な設置基準や運営基準を満たしており、一般的な認可外保育園と認可保育園の中間的な存在といえます。
まとめ
本記事では、認可保育園と認可外保育園の違いを解説しました。認可保育園は費用の安さや公的基準の安心感が魅力で、認可外保育園は入園のしやすさや柔軟なサービスが強みです。
どちらが優れているかではなく、家庭の状況や優先順位によって最適な選択は変わります。大切なのは情報に流されず「譲れない条件」を明確にすることです。
そのうえでメリット・デメリットを理解し、自治体の情報収集や園の見学を通じて比較検討することで、後悔のない保育園選びにつながるでしょう。

